熱い湯とぬるいお湯、更年期によいのはどっちのお湯?
温泉は、「泉質」以外でも「体に及ぼす効能」が変わります。
まず、知っておきたいのは「お湯の温度」。熱いお湯に入る場合と、ぬるいお湯に入る場合とでは、体の中で違う反応が起こります。
更年期の女性にとって、よいお湯とはどちらのお湯なのでしょうか?
高温浴は、「交感神経」を刺激して活性化させます。また、新陳代謝を促し、気分もシャキッとする効果があります。
でも、その反面、血圧が上がり、血液中の粘性が上がるため、高血圧や心臓疾患のある人は注意が必要です。
それに加えて、体の温度が急激にあがるため、汗が大量に出て体内の水分が失われますから、こまめな水分補給も重要になります。
更年期の女性は、女性ホルモンが乱れて「交感神経」が優位になっている人が多いので、熱いお湯に入りすぎると不調を感じやすくなりますから、注意が必要です。
高温浴をする場合は、短めに。ぬるめのお湯と交互に入るなどの工夫をしましょう。
40℃前後のお湯は、ふだん慣れ親しんでいるお湯の温度です。
体への負担も少なく、血圧や体内温度の上昇もゆるやかで、安心して入れる温度です。
とくに、38℃くらいの体温と同じくらいのお湯は、副交感神経を優位にする効果があります。神経を休め、リラックス感を得やすく、ストレス緩和にも効果があります。
このくらいの温度にじっくりつかると、体が芯から温まり、末梢血管の血液の流れもよくなります。更年期の不調がある方は、このくらいの温度で入浴するのが効果的です。
体温よりも少し低めの「ぬる湯」を「低温浴」といいます。
この入浴法は、副交感神経の働きを高め、神経や筋肉の緊張をときほぐす働きがあります。
更年期の女性におすすめのお湯ですが、短い入浴時間だと体が温まりきらず、かえって皮膚表面から熱を逃がしてしまいますから、注意が必要です。
温かいお湯と交互に入るなどの工夫で、うまく使い分けると効果的です。
豆知識
最近では、多くの温泉で複数の湯舟があることが多く、「熱めのお湯」「ぬるめのお湯」で分けられているところが増加しています。交互に入る、温度によってつかる時間を調整するなど、うまく使い分けて体調不良の緩和に役立てましょう。
「泉温」自体での分類分けもあります
日本で制定されている「温泉法」では、源泉の温度での分類分けもあります。
冷鉱泉 | 25℃未満 |
---|---|
低温泉 | 25℃以上34℃未満 |
温泉 | 34℃以上42度未満 |
高温泉 | 42℃以上 |
源泉の温度が低くても、含有物質が規定量に達していれば「温泉」になりますが、厳密にいうと、沸かす必要のないものが「温泉」です。
冷鉱泉や低温泉は「加熱」によって入浴可能。高温泉はさますことで入浴できる温泉です。加水でさましていることもあるので、温泉地の表示を見ると、どのような温泉なのかがよくわかります。
成分が含まれているのは変わりませんが、知識として知っておくと便利です。
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