温泉表示にある「浸透圧」って何のこと？

温泉は、「泉質」や「ph濃度」以外に、「浸透圧」による違いもあります。

この「浸透圧」というのは、いったい何なのでしょうか？詳しく解説していきましょう。

浸透圧というのは、カンタンにいうと、「体の中に温泉の成分が浸透しやすいか、どうか」を知るための指標です。

何となく意外に感じるかもしれませんが、水分は皮膚を通して体内に取り込まれます。

長風呂をしたり、水仕事をすると、手がシワシワになりますよね。これは、水分が皮膚を通して体内に入ってくるから起こる生理現象です。

皮膚を通して水分が入る仕組みは、「人間の細胞液」と「水分の成分濃度」の差にあります。

私たちの体の中にある「細胞液」よりも「濃い液体」は、体内に入り込みやすく、「薄い液体」は、浸透するのに時間がかかります。

これは、浸透度には圧力が関係していて、濃い液体は圧力が強い特徴があります。このような浸透する圧力のことを、「浸透圧」といいます。

浸透圧は、「高調性」「等調性」「低調性」の３つがあります。お肌への圧力＝浸透度の違いで分けられている分類法です。

お湯の成分の濃さの違いで分けられている「浸透圧」ですが、浸透度が違うと体に与える影響にも違いがあります。

もっとも異なるのは、療養泉にはいったときです。

「療養泉」は体に有効な成分の溶け込んだ温泉ですから、浸透度が高い温泉のほうが、皮膚を通して含有成分を取り込みやすくなります。

入浴しているのが短時間でも、浸透度が高いと、十分効果が期待できます。

ただ、浸透度が高い分、湯あたりしやすくなりますから、長時間入浴するとのぼせやすくなりますので注意が必要です。

浸透度が低い温泉（低調泉）の場合は、短時間ではなく、長時間ゆっくり時間をかけると効果が出てくる温泉です。長湯が好きな方は、低調泉がおすすめです。

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