知っておきたい「源泉かけ流し」の底力!本当に良い温泉の見極め方とは?

知っておきたい「源泉かけ流し」の底力!本当に良い温泉の見極め方とは?

ここに、興味深い書籍があります。

 

源泉かけ流し、たった1%の真実―源泉探検隊イチ押しここが違う!!5ツ星源泉宿
」(ビッグサクセス刊)。

 

テレビ番組のプロデューサー・小森威展さんが書いた本で、長年にわたって、多くの温泉番組を手掛けてきた方です。

 

源泉かけ流しはたった1%?!

 

この書籍によると、「天然100%の温泉はたったの1%」というのです。

 

私たちは、温泉といえば、泉質の違いはあるものの、「天然のお湯」だと思いがち。でも、実はそうではなく、「源泉かけ流し」でない限り、そのお湯は、塩素などによって変質した「温泉加工品」に過ぎないのだとか。

 

では、そもそも、「源泉かけ流し」とは、どういうものなのでしょうか? ホンモノの温泉を見極めたい方のために、「源泉かけ流し」の底力について、ご紹介していきましょう。


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「温泉表示」だけでは、ホンモノの温泉はわからない

いま、日本には「温泉法」があって、それなりの基準で「温泉」が区分けされています。

 

その中でも、「療養泉」と指定されているお湯は、よい温泉を見分ける重要なポイント。良質と言われる温泉は、その「泉質」によって判断されているといっても、過言ではありません。

 

ところが、「今の温泉法ではホンモノの温泉を区別できない」と、真向から指摘しているのが、小森威展さんです。

 

彼は、これまでの数々の取材を通じて、温泉そのものの性質が、加水や加温、塩素消毒によって、似て非なるお湯になっている温泉が、あまりにも多いことを指摘しています。

 

温泉表示の泉質は源泉口。浴槽の泉質と同じではない

 

例えば、源泉口で計測したph値が、お風呂の中のお湯で計測すると、全く異なる数値になることも、珍しくないのだとか。温泉地に掲示されている「成分分析表」は基本的に「源泉の沸出口の湯の泉質」。浴槽のお湯とは、結果的に全く違うのが、現実だといいます。

 

もちろん、数多くの人々が入浴する以上、当然、お湯は汚れていきます。沸出量が多くない温泉地では、これを解消するために、消毒したり、循環ろ過するしかありません。

 

また、源泉の温度が高いお湯は、適温にしないと入浴できたものではありません。これも、当然、加水して熱を冷ます温泉地も多くなります。

 

でも、この「加水」や「ろ過」「消毒」で、もともとのお湯とは、似て非なる泉質になってしまうことも珍しくありません。


温泉法では義務づけられていない、湯船の湯質

湯船の泉質表示は義務づけられていない現実

 

源泉かけ流しとは、文字通り、「加水、ろ過、消毒などを一切していないお湯」のこと。

 

もったいない話かもしれませんが、沸出したお湯をそのまま流して、一度使ったお湯は、捨ててしまいます。

 

「源泉かけ流し」とは、地中から頂く天然ミネラルの恩恵を、そのまま受けられるお湯です。つまり、加水、ろ過、消毒をしている温泉とは、比べ物にならないほど、貴重なお湯です。

 

しかし、この源泉かけ流しなどの表示は、法律で義務付けられているわけではありません。そのため、源泉の泉質は表示していても、必ずしも、湯船のお湯が同じとは限りません。

 

最近では、「ろ過」などのことを、自主的に表示する施設が増えてきていますが、利用する側でチェックするしかないのが現状です。


源泉かけ流しのお湯のチカラ

源泉かけ流しは、お湯の温度調整が決め手!

 

もう少し詳しく話をすると、「源泉かけ流し」とは、地中から湧き出たお湯に、一切手を加えていない生のお湯」のことです。

 

中でも、源泉が沸出口から、浴槽までが近ければ近いほど、泉質が変化しません。とくに、源泉の温度が高い温泉は、せっくのかけ流しでも、加水によって、成分が薄くなっていることも少なくありません。

 

本当に、源泉の泉質にこだわっているところは、熱交換器を使って、熱を下げています。宿によっては、施設内に何mもの滝を作って、そこにお湯を流し、温度を下げているところも! 

 

お湯の質にこだわっている宿は、今はここまでやっています。


ホンモノの温泉の見極め方とは?

実際に宿に尋ねたい!3つのこと

 

ネットや雑誌を見ても、お湯のことまで、詳しく紹介している施設は、まだ少ないものです。そんなときは、実際、宿に確かめてみること。

 

「源泉の沸出口をもっているかどうか?」と聴くのが、一番、手っ取り早い方法だといいます。この問いに、答えられない宿は、見限ったほうがよいのだとか。

 

もっと詳しく知るには、「源泉の湯量」「温度」まで聴くと、確実です。

 

「湯量」は、お湯を清潔に保つ上で重要で、入浴客1人あたり毎分沸出量は0.7〜1リットルは必要です。また、温度は、適温39〜42℃に対して、源泉温度との差がどの程度あるかを知る上で重要です。

 

高ければ、どう冷ましているのか? 低ければ、加温しますから、これにきちんと答えてくれる宿は、まず問題ありません。

 

「ホンモノの源泉」とは、源泉の沸きだし口から生のままの源泉が、温泉施設の全ての湯舟に入っていて、1年を通じて適温であること。

 

厳しい条件ともいえますが、日本には、この条件にかなう施設が、約200件は存在しているそうです。

 


おすみつきの源泉宿はどこ?

この書籍では、著者が太鼓判を押す「源泉宿」が、41か所紹介されています。

 

テレビ番組取材を通じて、実際に確認した宿だそうで、取材の関係上、東日本が多い構成になっていますが、とっても参考になります。

 

詳しく知りたい方は、この書籍をご覧ください。

 

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