何だか気になる!「にごり湯」の種類と効能とは?

何だか気になる!「にごり湯」の種類と効能とは?

無色透明のお湯よりも、「にごり湯」のほうが、「何となく天然」感がしますよね。

 

「にごり湯」は、白色や茶色、ブルーやグリーンに見えるものもあって、実に多彩。女子の疾患に役立つ「鉄泉」も、茶褐色のにごり湯の一種です。

 

ところで、この「にごり湯」。どんな種類があるのでしょうか?また、その効能とは? 詳しくご紹介していきましょう。


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そもそも、なぜお湯が濁るの?

そもそものお話ですが、お湯が濁っている理由は、大きく分けて2つあります。

 

「含有物が溶け込んで濁っている」=最初から濁っているもの。
「空気に触れると酸化して濁る」=後から濁るもの。

 

日本の濁り湯の約8割は、「酸化」によるお湯だといわれています。

 

鉄泉などは、その代表例。最初は無色透明ですが、空気に触れると、お湯の中の鉄分が酸化して茶色になります。

 

また、「硫化水素」が含まれているお湯も、空気に触れると、不溶性の硫黄が出来て、これがお湯の中に漂うと、「白色」に見えます。

 

あとの2割は、土壌の中の有機化合物が溶け込んで、濁っているもの。この場合は、空気とは関係なく濁るお湯で、堆積層が厚い非火山性温泉に多いタイプ。

 

また、中に含まれている成分が、光に反射して様々な色に見えるものもあって、お湯の中に溶け込んだ細かい微粒子が、光を拡散させると濁って見えるものもあります。


濁り湯の種類と効能とは?

白濁系

…硫化水素や硫黄分が含まれているお湯が多いものの、泉質や効能には違いがあります。

 

効能自体は、泉質に左右されますが、「効能自慢」のお湯が多いのも、白濁系温泉の特徴。どちらかというと、東日本に多く、西日本の場合は九州地方に多くみられます。

 

白濁系(乳白色)のお湯

東日本⇒登別温泉、酸ケ湯温泉、乳頭温泉、鳴子温泉、蔵王温泉、那須湯本、鬼怒川温泉、塩原温泉、箱根仙谷原温泉、万座温泉、白骨温泉、乗鞍温泉など。
西日本⇒硫黄谷温泉、明礬温泉、久住赤川温泉、雲仙温泉、勝浦温泉など

 

赤褐色〜茶色系

…茶色や赤色は「鉄分」、黄色っぽいお湯は「硫黄や土類、硫黄、重曹」などを含むものが多いお湯です。

 

古くから湯治場として栄えてきた温泉が多く、とくに鉄泉は貧血や婦人病によく効くといわれています。赤湯、金湯と呼ばれるものは、このタイプ。どちらかというと、西日本に多い濁り湯です。

 

赤褐色〜茶色系のお湯

東日本⇒伊香保温泉(群馬)、ニセコ薬師、天人渓(北海道)、不老不死温泉(青森)など
西日本⇒有馬温泉(兵庫)、妙見温泉、川尻温泉(鹿児島)、えびの高原温泉(宮崎)、湯ノ元温泉(長崎)、温泉津(島根)、入之波(奈良)、須賀谷(滋賀)、濁河(岐阜)など

 

石油が溶け込んだ温泉も?!

 

皮膚病に効果があることで有名な、北海道の「豊富温泉」は、なんと石油成分が入ったお湯。

 

泉質は、ナトリウム-塩化物泉とナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉の2種で、黄色く濁ったお湯です。もとは石油採掘をしていた際に湧き出したお湯で、わずかに油分を含んでいます。
豊富温泉公式ページ

 

変色系

…光の加減で様々な色に見えるお湯。

 

五色温泉(長野県)=お湯が5色に変化する。
奥塩原温泉(栃木)=乳白色から、雨の日はグレー、晴れの日は濃い緑色になる。
鉄輪温泉(大分別府)=透明〜ブルー〜乳白色などに変化。
湯の峰温泉(和歌山)=白色〜乳青色〜緑など7色に変わる。

 

その他のカラフルな色湯:国見温泉(岩手)=鮮やかなグリーン。

 

黒系

…「黒湯」と言われる真っ黒な温泉もあります。土壌内で泥炭化した植物の有機化合物が溶け込んで、真っ黒になっています。東京や千葉などに多く、北海道にも見られるタイプのお湯です。

 

十勝川温泉(北海道)、松原温泉(北海道千歳市)、東北温泉(青森)、新宿十二社温泉、辰己天然温泉、改正温泉、元祖池上温泉(東京)、養老温泉、亀山温泉(千葉)など

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